3. Pythonのデータ型(基本編)#

節サブタイトル

基本になるデータ型の紹介

代表的なPythonのデータ型と、便利な使い方を紹介します。

それぞれのデータ型の紹介で、「これだけは知っておくとよいよ」という機能を挙げます。

3.1. はじめに#

本節では整数型(int)、浮動小数点型(float)、文字列型(str)を扱います。

データ型については、Pythonの公式ドキュメントも参考にしてください。

3.2. 整数型(int)#

整数を扱うには、整数型(int)を使います。

主な演算子には、前節で説明した四則演算(+-*/)と剰余(%)の他に、累乗(**)があります(リスト 3.1)。

リスト 3.1 整数型#
>>> 2 + 2
4
>>> 3 - 8
-5
>>> 6 * 9
54
>>> 8 / 2
4.0
>>> 5 % 2
1
>>> 5 ** 2
25

割り算の結果は小数点以下も出力されます(リスト 3.2)。

リスト 3.2 整数型同士の商#
>>> 10 / 3
3.3333333333333335
>>> 10 / 4
2.5
>>> -10 / 4
-2.5

割り算の結果を整数で取得したい場合は // 演算子を使用します(リスト 3.3)。 その場合は、小数点以下は切り捨てられます。

リスト 3.3 //での割り算#
>>> 10 // 3
3
>>> 10 // 4
2
>>> -10 // 4
-3

3.3. 浮動小数点型(float)#

小数を扱うには浮動小数点型(float)を使います。

整数型と同様の演算子が使えます(リスト 3.4)。

リスト 3.4 浮動小数点型#
>>> 5.0
5.0
>>> 5.0 + 5.2
10.2
>>> 10.2 + 8
18.2

浮動小数点型と整数型との計算は浮動小数点型を返します。

3.4. 文字列型(str)#

文字列を使うには文字列型(str)を使います。

リスト 3.5 のように、シングルクォート(')かダブルクォート(")の間に文字を入力します。 シングルクォート、ダブルクォートのどちらで書いても機能的な違いはありません。

リスト 3.5 文字列型#
>>> 'Hello,world'
'Hello,world'
>>> "Hello,world"
'Hello,world'

3.4.1. 文字のエスケープ#

文字列中にクォート文字やその他の特殊な文字を含めたい場合は、バックスラッシュ(\)でエスケープします。

たとえば、シングルクォートで囲まれた文字列中では、シングルクォートを \' と書き、改行文字を \n と書きます(リスト 3.6)。

リスト 3.6 文字列中のエスケープ#
>>> print('I\'m Hiroki')
I'm Hiroki
>>> print('Hello\nworld')
Hello
world

文字列がシングルクォートを含み、ダブルクォートを含まない場合は、ダブルクォートで囲むと見やすいです(リスト 3.7)。

リスト 3.7 シングルクォートを含む文字列#
>>> print("I'm Hiroki")
I'm Hiroki

3.4.2. 三重クォート#

改行を含む文字列を一度に定義するには、三重クォート(クォート文字3つ)で文字列を囲みます。

シングルクォートの場合は ''' 、ダブルクォートの場合は """ です(リスト 3.8)。

リスト 3.8 三重クォート#
>>> """ foo
... bar
... baz
... """
' foo\nbar\nbaz\n'

3.4.3. 文字列の結合と繰り返し#

文字列型同士を結合するには、プラス記号(+)を使います(リスト 3.9)。

アスタリスク(*)を使って繰り返した文字列を取得できます。

アスタリスクの左に繰り返したい文字列を、右に繰り返し回数を整数型で指定します(リスト 3.10)。

リスト 3.9 文字列の結合#
>>> 'Mt.' + 'Fuji'
'Mt.Fuji'
リスト 3.10 文字列の繰り返し#
>>> 'spam' * 5
'spamspamspamspamspam'

3.4.4. インデックス表記#

文字列のある位置を指定して1文字を取り出す機能です。

リスト 3.11 文字列から1文字取り出し#
>>> 'python'[1]
'y'

文字列から1文字を取り出すには、 リスト 3.11 のように書きます。

リスト 3.11 では、文字列の先頭文字を0として数えた1の位置にある文字、 'y' が返されています。

この位置をインデックスと呼びます。インデックスには負数も使えます。 図 3.7 のようになります。

../_images/indexing.png

図 3.7 インデックス#

3.4.5. スライス#

Pythonのスライスを使えば、 リスト 3.12 のように、2、3、4番目の文字 'tho' という文字列を取り出せます。

リスト 3.12 文字列のスライス#
>>> 'python'[2:5]
'tho'

取り出す文字列の位置は、整数型を2つ、コロン(:)で挟んで指定します。

指定する位置は、「(取り出す文字列に)含める文字の開始位置のインデックス」から「含めずに切り捨てる文字の開始位置のインデックス」と考えられます。

リスト 3.12 の場合、「インデックスが2の位置の 't' から始まり、インデックスが5の位置の 'n' 以降を切り捨てた」文字列、 'tho' が返されます。

また先頭や末尾を含む文字列のスライスは、 リスト 3.13 のように切り出し、切り捨て位置を省略して指定します。

リスト 3.13 先頭末尾からのスライス#
>>> 'python'[:3]
'pyt'
>>> 'python'[4:]
'on'

3.4.6. 文字列の長さ(len()関数)#

 文字列の長さを調べるには、 len() 関数を使います。 戻り値は整数型です(リスト 3.14)。

リスト 3.14 文字列長の取得#
>>> len('python')
6

3.4.7. 文字列の有無(in演算子)#

文字列中にある文字列が存在するかどうかを調べるには、 in 演算子を使います(リスト 3.15)。

リスト 3.15 文字列中にある文字列が存在するかのチェック#
>>> 't' in 'python'
True
>>> 'k' in 'python'
False
>>> 'th' in 'python'
True

3.4.8. 文字列の分割(.split()メソッド)#

文字列を分割するには、 .split() メソッドを使います。

分割したい文字列に対してメソッドを呼び出し、引数に区切り文字(デリミタ)を指定します。

ハイフンで文字列を区切るには、 リスト 3.16 のようにします。

リスト 3.16 文字列の分割#
>>> 'pain-au-chocolat'.split('-')
['pain', 'au', 'chocolat']

3.4.9. 区切り文字による文字列の結合(.join()メソッド)#

文字列を区切り文字で結合するには、 .join() メソッドを使います。

区切り文字に対してメソッドを呼び出し、引数に結合したい文字列のリストを指定します(リスト 3.17)。

リスト 3.17 文字列の結合#
>>> '-'.join(['pain', 'de', 'campagne'])
'pain-de-campagne'

3.5. まとめ#

代表的なPythonのデータ型と、便利な使い方を紹介しました。 型の特徴と機能を最大限に活用して開発を進めましょう。